こんにちは。岡山市の司法書士の福島良太です。
今回は法務局で実施している「登記手続き案内」について説明をしたいと思います。御自身で登記を申請しよう、と思ったときに利用を検討された方もいるのではないでしょうか。この手続きの特徴について、まとめていきます。
「法務局は不親切!?」
当事務所に相談に来られる方から、
「法務局の手続き案内を予約して受けたけど、不親切な印象で詳しく教えてもらえなかった。」
と話を伺うことがあります。まず、法務局での登記手続き案内では何をしてくれるのでしょうか?
〔登記相談で対応してくれること〕
・登記の申請に必要な書類(戸籍謄本など)の一覧や請求先
・登記申請書、添付書面の雛形を配布、など
〔登記相談で対応してくれないこと〕
・登記申請書の作成
・添付書面(遺産分割協議書)の作成
・戸籍謄本などの代行取得
・具体的な事案に沿ったアドバイス
(例)どのような遺産分割協議書を作成すれば良いのか
法務局では、個別具体的な相談をすることができず、申請書や添付書面も雛形を配布するだけで、作成はしてくれません。この点から、不親切と考える方もいるかもしれません。しかし、他人の権利関係などにアドバイスをする権限は法務局にはありませんし、その場合の責任を法務局のスタッフが取ることもできないのです。そのように考えると、法務局での対応は決して不親切なものではないと考えます。
〔メモ〕登記相談は予約制です。
平日の時間に事前予約をする必要があります。法務局に立ち寄ったときに、窓口でいきなり相談をしようとする方を目にすることもあります。その場合の法務局の対応は、申請書の雛形を渡して、事前予約をするように伝えて、その場では相談への対応はしてくれません。
「登記手続き案内の利用した方がいい!?」
登記手続き案内を利用して、登記を完了させることも可能ではあるのですが、どのような場合にオススメで、どのような場合にオススメではないか、について説明します。
〔オススメの方〕
・平日の時間に法務局へ事前相談に行く時間の調整ができる方
・パソコンを持っていて、wordなどを使うことのできる方
・事案がシンプルな場合(例、相続人が自分一人の場合、など)
・法務局のHPや書籍などを読んで、登記申請書を作成できる方。など
〔オススメできない方〕
・平日は仕事で時間の調整ができない方
・パソコンを持っていない方
・法務局のHPの文章やマニュアルを見ながら、作成する作業が苦手な方。
・数字相続が発生している場合。など
〔メモ〕登記手続き案内を利用して、登記を申請して、書類に不備があった場合は補正の手続きが必要になります。本人申請で、補正なしで登記を通す難易度は高いと感じています。補正になると法務局の営業時間(平日)に窓口に行く必要があります。また、補正で対応できない場合は登記は却下になります。
まとめ
登記手続き案内を利用して、相続登記を申請することはできますが、必要書類の準備、登記申請書の作成、遺産分割協議書の作成、相続不動産の特定は御自身でする必要があります。この点は、法務局では代行してくれません。登記申請の代行は司法書士に是非、ご相談ください。
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