こんにちは。岡山市の司法書士の福島です。
最近、chatGPTについての記事や動画を見たので、気になってchatGPTを試してみました。
司法書士の専門分野についていくつか質問をしてみましたが、事実と異なる返信でした。AIは個別具体的な内容には対応ができず、専門性の高い分野での使用は難しく、現時点では、司法書士業務に関する質問として一般の人が利用するのは、誤った情報を伝えられる可能性も高いです。
登記の手続きなどについて調べるときは、法務局や司法書士会、司法書士事務所に問い合わせる、相談するなど、責任の所在が明らかなところに依頼することをオススメします。
質問①
「有限会社は設立できる?」
と質問したら、
「はい、有限会社は設立できます」
と返ってきました。有限会社が新たに設立できないことは、司法書士なら誰もが知っているであろう基礎知識ですが、誤った解答が返ってきました。
質問②
「登記の専門家は?」
と質問したら、
「登記の専門家には、不動産登記や商業登記などの分野で専門的な知識を持つ法律家や行政書士、司法書士などがいます。また、不動産業界においては、不動産鑑定士や不動産コンサルタントなども登記に関する専門知識を持っています。」
と返ってきました。
不動産登記、商業登記に関する相談は司法書士が専門家であり、他士業や民間の方が相談を受けたり、申請書を作成したりすることは、法律で禁止されています。
司法書士業務をしていて感じることは、依頼を受ける案件は、定型通りの対応で完了することは少なく、個別に検討をしなければいけない課題があることが多いです。その意味では、AIで代替できる内容では、現状ありません。
これまで、商業登記の依頼を受けて業務を行うときに、
「○○の変更登記をお願いします。」と依頼を受けて、定款を確認して、会社法の規定、その変更による今後のメリット、デメリットを考えたときに、依頼の通りにそのまま申請となるケースは多くありません。
会社法、商業登記法を専門に勉強していなければ、様々な要素の絡み合う会社設立・変更登記を正しく判断することは難しいです。 司法書士は単に登記申請書類を作成しているだけでなく、背景となる事実関係や法律関係を整理した上で書面を作成しています。そのために司法書士になるために何千時間も勉強をしてきています。コンサルティングの要素も強く、ただ申請書に機械的に入力をしているものではありません。
司法書士は、AIによって代替される職業として上位に上がることもありますが、司法書士業務の一部はAIによって代替できる部分も増えてくるとは思いますが、司法書士の役割というのは、時代が変わっても違う形で必ず残ると考えます。 AIに対して登記に必要な情報だけを入力して作成する書類とは、司法書士が作成する書類は、形だけ見れば同じでも、意味は全然違います。 依頼主の方とコミュニケーションをしっかりと取り、個々の事情に合わせた提案をすることは、AIでの代替は難しいと考えられます。
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