こんにちは。岡山市の司法書士の福島です。
今回は、リーガルテックと呼ばれるサービスについて書きます。現在、リーガルテックが日本でも登記の分野に限らず、税務、契約書の作成などでも、徐々に普及してきています将来はAIにより広範囲に普及をすることが予測されています。
司法書士業務と重なる部分では、会社設立、会社変更登記の書類を作成するサービスが既に始まっています。クラウドサービスを使用することで、法務局に提出する書類を作成することができるので、確かに便利なサービスであり、司法書士に依頼するよりも価格を抑えることができるメリットは存在します。
司法書士として仕事を始めたときには、こんな便利なサービスがあるなら、今後、この分野における司法書士の役割はなくなっていくのではないか、と考えたことがありました。
ただ、実際に司法書士として実務をしていく中で、その考えは変わりました。
「○○の変更登記をお願いします。」と依頼を受けて、定款を確認して、会社法の規定、その変更による今後のメリット、デメリットを考えたときに、依頼の通りにそのまま申請となるケースは多くありません。
会社法、商業登記法を専門に勉強していなければ、様々な要素の絡み合う会社設立・変更登記を正しく判断することは難しいです。
司法書士は単に登記申請書類を作成しているだけでなく、背景となる事実関係や法律関係を整理した上で書面を作成しています。そのために司法書士になるために何千時間も勉強をしてきています。
AIに対して登記に必要な情報だけを入力して作成する書類とは、司法書士が作成する書類は、形だけ見れば同じでも、意味は全然違います。
依頼主の方とコミュニケーションをしっかりと取り、個々の事情に合わせた提案をすることは、AIでの代替は難しいと考えられます。
当事務所の報酬額は、申請書自動作成サービスよりも、約1万円ほど報酬額は高くなりますが、その費用で専門家に依頼した安心感や、事業リスクを抑えることができます。
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